患者さんとのコミュニケーション方法は、その時々によってさまざまなものがあり、コツをしっかりと押さえることによって円滑に進められるようになります。例えば、業務を多数抱えてすぐに患者さんの所へ行けない時、というのは多いものです。そのような時には、「遅くても○分後には伺います」など、出来る限り時間を具体的に伝えることがコツとなります。これによって、患者さんは何分待てばいいのか目安ができるため、落ち着いて待ちやすくなります。また、待たせてしまった後には、「お待たせいたしました」など一言添えることによって、待たされた患者さんのストレスや不安が軽くなるでしょう。
他にも、検査や注射、採血の時に不安を感じる患者さんは少なくなく、安心させるのも看護師の大切な役割の1つです。このような時には1つ1つの動作ごとに「何をしているのか」説明をし、何をされているのか分からないという不安を和らげることがコツといえます。また、不安のあまり具合が悪くなったり、薬剤によるアナフィラキシー症状なども起こりうるため、様子を常に確認し、説明する時に「ご気分が悪くなったりしていませんか?」など併せて尋ねると良いでしょう。さらに、声かけでもコミュニケーションは必要です。症状についての声かけをする時には、「はい・いいえ」で答えられるように細かく尋ねることで、より正確に把握しやすくなります。「どこが痛いのか」と尋ねても、患者さんは曖昧な答えしかできないことも多いため、「どこが痛いですか?お腹の右側ですか?左側ですか?それとも真ん中ですか?」と絞っていくことによって、短時間で正確に患者さんの訴えを理解することができるのです。